凡人が、天才を殺すことがある理由の理論を使って色々と考えてみる

この記事を書くきっかけになったのが転職を本格的に考えている時に出会った転職の思考法という書籍でした。

ポジショニングについての部分は全ての就活生や転職希望者が読むべきと言い切れるくらい重要。

いくら頑張っても事業の成長性がないなら賃金が上がらないというのは覆せない真理だと思います。

本の内容は、物語形式で進むため普段本を読まない方でもすんなり理解できる良書です。

これ以上の詳細は書籍へという事で。

読了後にいつもの作者が気になる病が発動。

ダイヤモンドオンラインの記事やブログを読み漁りました。簡単に言うとただのファンです。

という事で、ここからは北野唯我さんがブログで論じている天才凡人秀才の話をベースに私の考えやスタンスについて、つらつら書いていきます。

(この理論の本は2019年1/17発売です。買います買いました)

北野唯我さんの論のまとめ

今回の記事のベースになる北野さんの「凡人が、天才を殺すことがある理由。ーどう社会から「天才」を守るか?」については以下の通り

  • 天才は創造性で世界を前進させる
  • 秀才は再現性、論理性で範囲を拡大する
  • 凡人は共感性で金を生み出す
  • 世界を前進させるには凡人の協力が必要
  • 天才が死ぬのはコミュニケーションの断絶が原因
  • コミュニケーションの断絶は軸と評価の2つで起こる
  • 軸……その人が「価値」を判断する上で、前提となるもの。絶対的
  • 評価……軸に基づいて「Good」や「Bad」を評価すること。相対的
  • コミュニケーションの断絶を防ぐ際に、活躍する3人のアンバサダーがいる
  • エリートスーパーマン、高い創造性と、論理性を持つ投資銀行にいるような人
  • 最強の実行者、ロジックを押し付けるだけではなく、人の気持ちも理解できる
  • 病める天才、高いクリエイティビティを持ちつつも、共感性も持っているため、凡人の気持ちもわかる
  • 大企業がイノベーションを起こすために必要なのは「天才と、根回しおじさん」
  • 凡人の中には、「あまりに共感性が高くて、誰が天才かを見極める共感の神」がいる

天才は、共感の神によって支えられ、創作活動ができる。そして、天才が産み出したものは、エリートスーパーマンと秀才によって「再現性」をもたらされ、最強の実行者を通じて、人々に「共感」されていく。こうやって世界は進んでいく。これが人間力学からみた「世界が進化するメカニズム」だ。

出展:『週報』 北野唯我のブログ。人材領域をサイエンティフィックに、金融市場のように捉える為の思考実験の場。凡人が、天才を殺すことがある理由。ーどう社会から「天才」を守るか?http://yuiga-k.hatenablog.com/entry/2018/02/23/113000

才能を語る上でこれ以上のツールはないと思うので、この話を元に、私の考え方やスタンスを述べていきます。

天才凡人秀才の話+評価の軸の変化

私が北野さんの論の中で違和感を持ったのは思考の軸は変化しないとしているところ。

思考の軸=選択のクセと考えれば、クセは理解や意識によって矯正する事ができます。

秀才と凡人のカップルのケンカでよくあるパターンを例にすると、

相手の話に理論性がなく、伝えたい事もバラバラで次第にイライラして秀才側が「で?so whatは?」と言って険悪なムードになって終了。

何度もケンカを繰り返しながら秀才は「そうだね。辛かったね」と共感すれば良いと学習しますし、凡人は要点をまとめれば話を聞いてくれると学習します。

お互いに相手の評価の軸を理解しようとすれば影響を受けあって選択の軸がズレていく例です。(大概上手くいきませんが…)

この例から考えてみると、生まれた時点の評価軸を点として取り、影響を受けることで生まれ持った評価軸から色々な方向へ根を伸ばしていく。

そして根を伸ばす過程で徐々に点が移動するイメージです。

つまりは

根=想像の及ぶ範囲、理解できる評価の軸の範囲
幹=現時点での評価の軸

天才、凡人、秀才の創造性、共感性、論理性というそれぞれの評価軸を理解することで、相手が何を考えているのか理解できるようになる。

理解できれば想像が働くので予測ができるようになる。

このプロセスを辿れば思考の軸をトレースして、自身の思考の軸を徐々にずらす事ができます。

ただし、『全ての人間の言うことに理屈がある』とリスペクトを持って接する事が出来ればという前提条件付き。

そして、他者へのリスペクトというのは、パワーが色濃く発揮できている時や、外から負の圧力を受けずに育ってきた場合にはナイガシロにされやすいものでもあります。(どちらも後述します)

また、肌感覚ではありますが、移動の方向に

天才→凡人
凡人→秀才
秀才→天才

という指向性を感じます。

アンバサダーとして解説されている病める天才、最強の実行者、エリートスーパーマンは生まれ持った軸から必要性を感じて移動していった人間の事と考えればすんなりまとまるのではないでしょうか?

指向性を持つ要因について北野氏の話を引用すると

秀才→天才は「妬みと憧れ」という、相反する感情(アンビバレントな感情)を持つ。一方で、天才→秀才は「興味がない」。この理由は簡単だ。秀才は、天才の凄さがより正確に「分かってしまう」からだ。反対に天才は「秀才という人工的な存在」に本質的には興奮しないからである。そして普通の人は、天才の凄さを認識できない。そのため、凡人→天才はシンプルな感情しかもたない。それは「凄い」か「理解できないから排除する」の2つしかない。一方で秀才は違う。「自分とは、モノ(才能)が違う」という事実をいやがおうにも見せつけられる。根の深い部分では憧れを持つ。一方で、天才は本質的には自分には興味を持ってくれないことも知っている。そのため、相反する気持ちを持ちやすい。

出展:『週報』 北野唯我のブログ。人材領域をサイエンティフィックに、金融市場のように捉える為の思考実験の場。
組織における「秀才」の役割が、明らかに変わってきた。http://yuiga-k.hatenablog.com/entry/2018/07/13/113000

となります。要するに

凡人→天才
意味わからん。(だから凄いorキモイ)

秀才→凡人
なんでできひんの?

天才→秀才
なんや、つまらんな。

ってことです。こう思う背景には

凡人→天才
理解出来ないから共感できない。凡人が共感できる人間が圧倒的マジョリティなので、凡人から見て理解できない=おかしな人間として排除したがる。

秀才→凡人
理屈より情で動くのが理解できない。秀才から見て情で動くので、やるべき事をやらないし、パフォーマンスも低く見えるので見下している。

天才→秀才
代わり映えしなくてつまらない。天才から見て能力があるのに新しいものに取り組まないし、作らないから興味がない。

評価の軸の特徴としてこの3点がマイナスの指向性を持ち反発するため、反対方向へ評価の軸が移動するように思います。

天才凡人秀才の話+影響力の濃淡

天才凡人秀才のこの図。私には光や色の三原色のあの図ににも見えるんですね。

そして天才凡人秀才はスペクトラムのように展開していて、

  • 当人の理解や意識、周囲の人間の影響によって評価の軸はダイナミックに変化する。
  • 当人の持つパワーや外から受ける圧力によって能力が発揮されるか否かも色の濃淡のようにダイナミックに変化する

のではないかと思っています。(図が下手なのでわかりにくいですが、実際はもっとグラデーションしてると思ってください)

人間の影響力の大半は外からの圧力で決まります。

同時に外からの圧力は自分の働きかけで変えられます。

内のパワーと外の圧力、どちらが大きいかによって見かけの影響力が決定されるような感じ。要するに

影響力=内からのパワー+外からの圧力

これを影響力の発信側が真面目な学生、受け取り側が不良生徒、教師の例で例えると

  • 真面目な学生→校則に従って生活し、勉強を頑張っている。
  • 発する影響力=真面目に勉強に励むという所から発生
  • 不良生徒→教師に媚びてるイケスカナイつまんないやつという評価
  • 教師→真面目に頑張る良い生徒という評価

大抵は教師の方が学校という組織を運営し、規則を守らせる立場に所属しているため学校の中ならば圧力が大きくなりますよね。

プラスの受け取り方をする人間が多ければ内から発されるパワーに対抗するものがないか、増幅されるので、当人のパワーがそのまま反映、もしくは割増で影響力を持ちます。

ですが、教育困難校などの教師の圧力が著しく低く、不良生徒の圧力が高い環境では真面目に頑張る生徒は外からの圧力で封じ込められ、真面目である事がマイナスに働く可能性すらあるでしょう。

これは行動が変わらなくても当人を取り巻く環境にどのような考え方をする人間がいるのかによって反応は異なるという事。

内から発されるパワーがマイナスの外圧に触れるのか、プラスの外圧に触れるのかによって変化するのが人間の発揮できる影響力です。

この考えを使えば書籍化の記事でチラッと見えていたサイレントキラーは自身が組織の中で良い位置を得るために極めて自己中心的、合理的にマイナスの外圧をばらまく存在として説明が付きます。(書籍では違う使われ方の可能性があります。あくまで予測)

似たような話は北野さんのブログではジョジョの奇妙冒険のキャラクターが活躍できる状況として表現されています。

ジョジョのキャラクターのほとんどは「特定の条件下での強さ」である。各キャラクターは「自分の能力が一番活躍する条件」を知っている。反対にいえば「どういう状況であれば、自分が弱いか」を知っている。したがって、キャラクターは自分の頭を使って、なんとしてでも勝てる状況を作り出す。

出展:『週報』 北野唯我のブログ。人材領域をサイエンティフィックに、金融市場のように捉える為の思考実験の場。「おっす、オラ、ダーウィン!」ジョジョとH✕Hに見るヒーロー進化論
http://yuiga-k.hatenablog.com/entry/7_1

こう考えてみると天才凡人秀才の話の中で共感の神が凡人ゾーンに配置されていますが、私は共感の神=パワーや影響力が比較的に薄いが、スペクトラム上でド真中に位置する人材なんじゃないかな〜と思いあたりました。

組織を変えうる素質のある天才に共感できるのも、評価の軸に触れる機会が多く、スペクトラム上に広い根を伸ばしているため。

若くて才能ある人間をサポートしてくれるのも影響力やパワーの薄い状態の辛さに共感できるからと考えるとすんなり通ります。

ど真中ゾーンで影響力が弱い=共感の神、ド真中ゾーンで影響力が強い=全てを理解するものになる気がします。

ちょうど良い例としてBusiness Insider Japanの「おっさんvs世界:なぜおっさんは世界から「敵」と見られる」を一部引用します。

随分前に、ノルウェーのジャズフェスを取材したんですけれど、すごく感心したのは、フェス自体はノルウェー外務省がバックアップしてしっかりお金もついているイベントなんですが、メインのオーガナイザーが30歳くらいなんですよ。で、一応おっさん階層に目配せしたプログラムはあるんですが、それさえあればあとはお好きにどうぞって感じなんですよね。外務省の担当の偉い人は、その人自身大のジャズファンなんですけど、メイン会場の近くで一軒家借りて勝手でライブやっているんですよ。「オレらはこっちで好きにやってるから、あとは頼むよ」って感じで。(中略)さっきのノルウェーのジャズフェスで重要なのは、おっさんは座組みつくって、自治体と調整して、お金調達してみたいな部分は全然若い子よりできるからそれはやるんだけど、コンテンツにはまるで口を挟まないってところなんですよね。

出展:Business Insider Japan おっさんvs世界:なぜおっさんは世界から「敵」と見られる
http://news.line.me/issue/oa-businessinsider/6f53331373c2?share_id=GPN18949423349

ド真中ゾーンで影響力が強い=全てを理解するものがあえて自分の関与する範囲を狭め影響力を削ぐことで、共感の神、根回しおじさんとして機能しているように見えます。

私のスタンスについて

ここからは私のスタンスについて。

私はどん底の状態がチャンスだと言われるのは、他者の評価軸を理解する素地が出来上がるからではないか?と思っています。

他者の評価軸を理解した上で這い上がってきた時には落ちる前より強固なパワーを持つ人材になっているはず。

そして、影響力の濃淡を繰り返し、脈動するように各方面へ根を伸ばした大樹がいわゆる根回しおじさん、共感の神。自然に共感の神が出てくる理由はこんな感じじゃないかなと思ってます。

また、他者の評価軸を理解しようと学習を進めれば人工的に共感の神を作り出す事もできるのではないでしょうか?

ブログで雑記を書く理由は私に関わる全ての人間をど真中のゾーンに引っ張っていって色濃くパワーを発揮できる状態にする事、全てを理解する者の量産。

そうなれば自分の周りがより楽しい空間になるはず。

残念ながら日本は変な人が存分にパワーを発揮できない国なので、少なくとも自分の周りの空間は楽しくするためにブログを書いてます。

もう1点自分の周りの人間が色濃くパワーを発揮できる状態にしたい理由として、AI化、ロボット化の波があります。

現状は新しいサービスや産業の黎明期はヒト>モノの関係、衰退期はモノ>ヒトである分野が多数ですが、汎用AI、汎用ロボットが開発されれば人材派遣業のほとんどがロボットのリースになり、黎明期ですらモノ>ヒトの関係になることもあり得るだろうと考えています。(実際、既にオリックスがロボットのリースを開始していますし)

端的に言えば労働力が電力で代替できる世の中になるということ。一部を除いてモノ>ヒトで世界が回ることになる前に、生きていける力を身につけないとヤバイという危機感を持ってます。

汎用AI、汎用ロボットが普及した世の中で想定できるのが「OOの型番のAIをまとめて運用してるとOOのときに不具合を起こすからOOとかOOと組ませないと・・・」という話です。

ですが、人間を取り巻く世界の流れや日本の状況は多様性というより、同質化の流れです。

言いたいことは

AI/多様化+人間/同質化=AIの人類超越(もしくは同質化)の加速

AIが多様化し、人間が同質化する流れを自分たちが作っているのにAIにビビッている様子に物凄い違和感があるということ。

同質的な考えしか出来ない人間が多いほど多様な汎用AIの需要は高まります。

だから多様な人間に共感し、評価の軸を理解できる共感の神を作り、パワーを発揮できる状況を作りたいと思ってこの記事を書きました。

人間にしか出来ない仕事は共感が必要な仕事といわれています。ですが私は凡人の共感と共感の神の共感に本質的な差があると思っていて、

凡人の共感
自身の考えや思いを相手に投げて思ったとおりの反応が返ってくる事=共感

共感の神の共感
相手の思考や、評価の軸を理解し反応を返せること=共感

のように感じます。

だから凡人は予想通りの反応が返ってこない秀才や天才をおかしな人間として排斥するか、優秀な人間なら「自分とはモノが違う」と持ち上げつつも距離を取ります。

根本にあるのは無理解。

凡人の共感は表面的なので、「マイクロソフトの女子高生AIりんな」のようなAIによって代替出来ます。

よってAIで代替出来ないのはスペクトラム上でど真中に位置する全てを理解するもの以外にありえません。

だからこそ、私に関わる全ての人間をど真中のゾーンに引っ張っていって色濃くパワーを発揮できる状態にする事が重要だと考えています。

AIやロボットが働く社会になっても人間の仕事は無くならないって話

最後に

これから雑記で、他の問題についても書きたいなーと思っているのですが、根本のスタンスや考え方、何を尊重して動いているのかを表明しないと上滑りして伝わらない記事になるだろうなぁと思って書いたのがこの記事=スタンスの表明です。

これからの時代、「お前何者なんだよ?」という肩書きよりも「お前何考えてんの?」という思考の方が重要になると思っています。

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ブログには私の名刺として機能してもらうつもりなので、以前より雑記の記事も増やしていきます。

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